紹介
日露戦争前夜、函館で生まれた元娼婦の“令嬢"がゆく浦潮(ウラジオ)の迷宮街路〈ミリオンカ〉――。その〈静謐〉と〈暴力〉の風景を日本ハードボイルドのベテランが描く。名作『函館水上警察――ウラジオストクから来た女』の《正編》ともいえるもう一つの物語。
目次
第一章 アドニス礼賛 一八九二年 その一
第二章 ニンジンの花 一八九二年 その二
第三章 氷上に咲く花 一八九三年 その一
第四章 チェリョームハ冷え 一八九三年 その二
第五章 ノイバラの棘 一八九三年 その三
第六章 ネコヤナギ芽吹く 一八九四年 その一
第七章 真夏のストック 一八九四年 その二
第八章 ジャスミン香る朝 一八九五年
第九章 コスモスの坂道 一八九六年
第十章 サラーナの花束 一八九七年
第十一章 曼珠沙華の墓場 一八九八年
第十二章 ぺんぺん草の名所 一八九九年
第十三章 サザンカ追想 一九〇〇年
あとがき
〈ミリオンカ〉の女 うらじおすとく花暦
¥2,200価格
四六判 438頁 上製
ISBN 9784909281074
発売日 2018年3月