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反ヘイト・反新自由主義の批評精神

紹介

アイヌ民族・沖縄・原発などをめぐってSNSで欺瞞がはびこり、「極右」「オタク(萌え)」「スピリチュアル」など言説がもてはやされるなかで、気鋭の文芸批評家が放った渾身の〈一矢〉。

文学界・思想界からの反響・反発が必至の〈禁断〉の文芸評論集です。

 

目次

I ネオリベラリズムに抗する批評精神
真空の開拓者――大江健三郎の「後期の仕事」
「歴史の偽造」への闘争――『日本人論争 大西巨人回想』
文学に政治を持ち込む戦術の実践――陣野俊史『テロルの伝説 桐山襲烈伝』
高橋和巳、自己破壊的インターフェイス
破滅の先に立つ批評――神山睦美『希望のエートス3・11以降』
「近代文学の終り」と樺山三英「セヴンティ」――3・11以後の〈不敬文学〉
選び取り進むこと――山城むつみインタビュー

II ネオリベラリズムを超克する思弁的文学
「饒舌なスフィンクス」からの挑戦状――青木淳悟『匿名芸術家』
日常の裏に潜む別世界――小山田浩子『穴』
「私」と〈怪物〉との距離――藤野可織の〈リアリズム〉
文学により「報道」――笙野頼子『さあ、文学で戦争を止めよう』

III 北方文学の探求、アイヌ民族否定論との戦い
環太平洋的な「風景」を描いた民族誌――金子遊『辺境のフォークロア』
私たちは『アイヌ民族否定論に抗する』をなぜ編んだか――岡和田晃×マーク・ウィンチェスター
放射能が「降る降る」現実を前に――小坂洋右『大地の哲学 アイヌ民族の精神文化に学ぶ』
中央の暴力を掻き回す辺境の言葉――向井豊昭『怪道をゆく』
歴史修正主義に抗する、先住民族の「生存の歴史」――津島佑子『ジャッカ・ドフニ』
江原光太と〈詩人的身体〉――郡山弘史、米山将治、砂澤ビッキ、戸塚美波子らを受け止めた器
断念の感覚の漂着点――中原清一郎『人の昏れ方』
意義を申し立てる文学――木村友祐『幸福な水夫』

IV 沖縄、そして世界の再地図化へ
沖縄の英文学者・米須興文の「二つの異なった視点」――主に『ベン・ブルベンの丘をめざして』収録文から考える
移動と語りの重ね書きによる世界の再地図化――宮内勝典『永遠の道は曲りくねる』

(目次より抜粋)

反ヘイト・反新自由主義の批評精神

¥2,000価格
  • 四六判 434頁 並製

    ISBN 9784909281128 C0095

    発売日 2018年8月

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